はいさい!しまじろうです。(しまじろうインスタグラム)
先日、YouTubeのおすすめ欄に『ダウンタウンの松本人志のすべらない話』が出てきました。
ないげなく見たところに6代目 神田伯山先生が出演しており、その語り口調に一目惚れをしました。
すぐ「神田伯山(かんだはくざん)」と検索して神田伯山ティービィーにヒット!
そこで初めて講談という世界へ入っていきました。
神田伯山先生との出逢いの中から【講談えほん】を知り今日はこの絵本の面白さについて一席もうしあげます笑
【講談えほん】
読み聞かせの鉄則なんかで感情を入れずに淡々と話した方がいいとか聞いたりしますが,僕はツバキ飛ばしながら感情大爆発でやります.このご時世では飛沫は御法度ですが語り手にとっては最高な絵本です.
オススメの一冊です.#宮本武蔵#講談#講談えほん pic.twitter.com/Rf0ENMJivl
— しまじろう@わくわくすることを共に創りあげる (@shima0927yap) January 22, 2022
講談と落語の違い
講談えほんを紹介する前に講談や落語といった演芸を知らない方に僕ができる限りの浅知恵と肌感覚をもって分かりやすく説明します。
「読む芸を極めた」講談師
講談は講釈師とも言われ高座(舞台)にあがると釈台と呼ばれる文机:ふづくえ(木の机)を使います。
なぜ釈台があるのかというと、昔はこの釈台に読み物(台本)を置いて話していました。
今は台本を置いてやるようなことはありませんが、置いたらダメみたいな決まりはないようです。
台本を置いて聞かせているとお客さんとしては「覚えてないの?」なんて勘違いされそうですね。
張り扇(はりおうぎ)と調子で迫力を演出
講談師のアイテムは張り扇(はりおうぎ)と扇子を釈台に置きます。
この張扇は打つための道具です。
講談というのは落語と違って物語の情景や登場人物の会話などすべてを説明して話します。
内容の中には対決や激しい口論など様々なシーンがあります。その時に張扇でリズム良く打ちけることで場面での転換や迫力に凄みを増すことができます。
張扇を作ってみたい人はこちらを参考に→https://youtu.be/hcNrOswJzug(神田山緑のさんちゃんねる)
修羅場調子(ひらばちょうし)が一番の醍醐味
単調なリズムを場面に合わせてダイナミックに演出するのが修羅場調子(ひらばしょうし)です。
講談師によってこの修羅場調子が違うので自分好みの講談師を探す楽しみもあります。
物語を聞かせる内容も時代や景色や町の情景も明確に伝えます。
「「元禄十五年十二月十四日、会稽山に越王が恥辱をそそぐ大石の山と川との合言葉末代めでたき武人の亀鑑(かがみ)……」〝ポンポン〟といった具合に。」 参照:東洋経済 人間国宝・神田松鯉が語る「講談と落語」の違い
落語の場合は「会話」で進めていきますが講談は「会話+説明」となります。
落語は
「おい、八っつあん! あそこに何か白い物がチラチラしていねえか」
「ああ、なんだろう」
と会話の掛け合いで進展していくのですが、これが講談になると、
「道の先をずっと見渡すと何か白い物が揺れているように見える。熊五郎は八五郎の肩をたたき、『おい、あそこを見ろ』と指さしました」
しまじろうおすすめの講談師【6代目 神田伯山】先生です。
6代目 神田伯山先生の芸に次第に講談という世界に引き込まれていくのでご注意を!
講談師は男性だけでなく女性も活躍しています。男性ならではの低音でドスの効いた声も良いですが、女性特有の声の響や高音域の気持ち良さも魅力的です。
絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫) [ 神田 松之丞 ]
1冊まるごと、松之丞改め六代目神田伯山 (Pen BOOKS) [ ペンブックス編集部 ]
「話す芸を極めた」落語
講談と違って「落語」というワードは誰もが知っているかとお思います。
落語は「話す」芸です。講談と違って固くないというか庶民的なストーリが多く気楽に聞ける感じがあります。
またオチがる笑い話や人情話など話芸としても楽しめますし、身振り手振りで表現するところも魅力です。
扇子で無双になる表現力
落語家のアイテムといば扇子です。
その扇子を刀やお箸、キセルや盃といった生活用品など小道具に変化します。
それがすごいのなんの!違和感なく表現するのでジャパニーズパントマイムの真髄ですね。
また効果音といいますか、そばやうどんを啜る(すする)音など落語家の特有の技があるので実際に食べているような錯覚に驚きます。
表現の域を超えた芸人のポテンシャル
講談や落語もそうですがそのほかにも浪曲や漫才といった様々な芸がありそのイズムは脈々と受け継がれています。
そういった芸人の巧みな技を見ることができる「寄席」と呼ばれる興行小屋があります。
沖縄には「寄席」と呼ばれる箱は今はありませんがライブハウスや劇場ホールなどで活躍している沖縄の芸人さんはいます。
芸人にとって「箱(劇場)」の存続は死活問題です。
僕のおすすめの落語家の1人で、もう亡くなりましたが、人間国宝の10代目柳家小三治さんです。
なんといって「うどん」を食べる時の臨場感はやばいです。
話の間や語り口調など独特のリズムがあります。
ぜひ楽しんでみてください。
おすすめ!えほん寄席
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講談えほんの魅力と面白さを知ってほしい
ここからが本日の本題となります。
みなさんは講談えほんはご存じでしょうか?
ちなみにこの絵本は講談社から出版されています。講談社はもともと弁論雑誌(講談に由来する)から立ち上がったものです。
この宮本武蔵 ー山田真龍軒の作品の監修も神田伯山先生(当時:神田松之丞)が監修してます。
文は石崎洋司さん、絵は飯野和好さんです。
読み聞かせプレーヤーに知ってほしい
地域や学校や家庭教育支援に関わっている方がなど「読み聞かせ」に参加したこともあるかと思います。
僕も初めて読み聞かせをした時にどのようなやり方があるか先輩方、お姉さま方にアドバイスを求めた覚えがあります。
またそういった初めての方向けの読み聞かせ講座へ参加したこともあります。
読みきかせ論について賛否両論、カクカクシカジカと様々な理論、個人の考え方などありますが、『エンターテイメント×芸の幅を広げる』視点から見た時に【講談という感覚】を知らない方は、ぜひこの「講談えほん」を片手に講談の世界を知ってもらえたらなと思います。
講談師になりきる『あなた風』で楽しんでみよう!
何も講談とはなんぞやと、1から学ばなくてもいですし張扇や扇子を揃えなくてもいいと思います。『講談の感覚』を体に取り込むことでこれまでと違ったあなたの風味が広がります。
聞き手と共に『空間を楽しむ』手法をひとつ増やすという意味で知っていただけたら嬉しい限りです。
講談と落語から学ぶもの
講談も落語も古典的なイメージもありますが考え方を変えることで現代的な作品も創作できます。
例えば童謡を講談っぽくしたりするのも面白いと思います。
講談師 神田京子さん(オフィシャルHP)は、カルメン(フランス作家メリメの小説)を講談スタイルでやっていますがとても面白いです。
神田京子さんは童謡を講談風でやっていたり初心者の方にも分かりやすく伝わりますのでおすすめです。
とにもかくにも、『あたなの感性で講談っぽく』でいいと思います。
あとは好きな講談師や落語家さんのマネをして「読みきかせ芸の幅」を広げていけば楽しみも増えるかと思いますよ。
僕が講談スタイルで『プレゼン』をしたところ・・・
『講談の感覚』を実践できるのは何も「読みきかせ」ばかりではありません。
先日、講談スタイルで沖縄県の研修会にてプレゼンすることがありました。
ちゃんと落語っぽく「まくら(本題に入るまえの世間話)」をアイスブレイク的な感じで入れたり、張扇とポインターを武器に話を進めたりとやりました。
上司のことを「ご隠居、ご隠居」ってなんか言っちゃって。
会場の方はこんなプレゼン見たことがないって感じで静まりかえっていました。
一切の淀みもなくしーんっと。
さてこの後、思いがけない結末へと続いていきます。
その先の物語はいよいよ波瀾万丈、奇想天外おもしろくなるわけでございますが!
なんと、なんと、お時間でございます。
また次のブログでお話しできたらと思います。
【講談えほんで読み聞かせチームに次の一手】の一席でしつれいをいたしました。
おすすめ!講談えほん
神田松之丞(神田伯山)絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)
【画像協力】
作者: K-factory